広報誌「真金倶楽部(まかねくらぶ)」 「まかねふく」は「吉備」の枕詞です。 |
岡山県立図書館 郷土資料部門 〒700-0823 岡山市丸の内2-6-30 TEL: 086-224-1286 FAX: 086-224-1208 E-MAIL: kyodo@libnet.pref.okayama.jp NO.8 2008.1 |
岡山県立図書館郷土資料部門の広報誌「真金倶楽部」をお届けします。 カウンターへ寄せられる質問の中から、興味深いものを取り上げて広くご紹介していきます。 |
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図書に押されている印鑑は蔵書印ですね。スタンプには受入印や小口印といったものがあります。 |
≪蔵書印とは≫ 本の所属や所有を明らかにして散逸を防ぐために押されている印鑑が蔵書印です。また、図書館では図書記号や分類記号などを書き込むための受入印や小口(本の切断面)に押す小口印と言われる各種スタンプを使用することもあります。 |
≪岡山県立図書館では≫ 岡山県立図書館は明治39年(1906)の設立から100年以上が経過しています。名称も岡山県立戦捷記念図書館や岡山県総合文化センターなど変遷があり(詳しくは『真金倶楽部 第5号』を参照)、その時々で使用される蔵書印や各種スタンプにも変遷があります。 それでは、どのようなものが使用されているかを実際に見てみましょう。 |
蔵書印いろいろ |
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図1 |
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図1:「岡山縣立戦捷紀念圖書館蔵書」 サイズ(縦×横):40×40mm | |
図書館名は正式には「記念」ですが、蔵書印では「紀念」となっています。大正12年(1923)まで使われました。 | |
図2・図3:「岡山縣立圖書館」 サイズ:50×50mm(図2)、サイズ:46×46mm(図3) | |
図2は昭和8年(1933)以前の蔵書印。図3は昭和25年(1950)以後の蔵書印。 | |
図4:「岡山縣中央圖書館」 サイズ:45×43mm | |
昭和8年(1933)から昭和25年(1950)までの図書館令では「管内(主に都道府県内)における公立図書館中の1館を中央図書館に指定すること」と定められ、岡山県では岡山県立図書館が中央図書館に指定されていました。 | |
図5:「岡山県総合文化センター印」 サイズ:36×36mm | |
岡山県総合文化センターの蔵書印。昭和32年(1957)から使われました。 |
受入印あれこれ |
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図6 |
図7 |
図8 |
図9 |
図10 |
図6:「岡山縣立戦捷紀念圖書館」 サイズ:21×36mm | |
字がつぶれて見えにくいですが、岡山県立戦捷記念図書館の受入印。 | |
図7・図8:「岡山縣立圖書館」 サイズ:25×36mm(図7)、サイズ:31×41mm(図8) | |
図7は館名の変更に伴い「戦捷紀念」部分を切り取って使用しています。図8は作り直した受入印。 | |
図9:「岡山縣中央圖書館」 サイズ:36×40mm | |
中央図書館の指定に伴い使用していた受入印。 | |
図10:「岡山県総合文化センター」 サイズ:31×51mm | |
岡山県総合文化センターの受入印。 |
小口印アラカルト |
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図11 |
図12 |
図13 |
図14 |
図15 |
図11:「岡山縣立戦捷紀念圖書館」 サイズ:25×11mm | |
蔵書印と同様に「紀念」となっています。 | |
図12・図13:「岡縣圖」 サイズ:26×12mm(図12)、サイズ:25×13mm(図13) | |
岡山県総合文化センター以前の小口印。これ以外にも字体の異なるものが数種類あります。 | |
図14:「岡文圖」 サイズ:26×15mm | |
岡山県総合文化センターの小口印。 | |
図15:「岡県圖」 サイズ:26×12mm | |
現在使用している岡山県立図書館の小口印。「県」の字は新字ですが、「圖」の字は旧字のままです。 |
≪現在の図書館では≫ これまで多くの図書館は、これら蔵書印などを図書に押してきました。ところが最近では、図書受入のコンピュータ化や整理業務の簡略化に伴い、バーコードシールの貼付で代行させ、蔵書印を使用しない図書館の方が多いようです。岡山県立図書館でも、図書受入のコンピュータ化が始まった平成8年(1996)以後は、蔵書印、受入印は使用せず、小口印を使用するのみです。 今回は図書の内容ではなく、蔵書印という切り口から調べてみました。いつもは何気なく見過ごしている蔵書印ですが、あらためて見てみると随分いろいろな種類があるものですね。 |
<参考文献> | |
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