広報誌「真金倶楽部(まかねくらぶ)」 「まかねふく」は「吉備」の枕詞です。 |
岡山県立図書館 郷土資料班 〒700-0823 岡山市丸の内2-6-30 TEL: 086-224-1286 FAX: 086-224-1208 E-MAIL: kyodo@libnet.pref.okayama.jp 番外編NO.1 2003.3 |
郷土資料室はみなさんの調査・研究をサポートするだけではなく、様々な質問も受け付けています。質問の回答を作るために資料を丹念に調べますが、調べる過程で「おや?」と思うようなことがよくあります。 事例を1つ挙げてみましょう。 「人見絹枝が母校(岡山高等女学校)で在校生にコーチをしている写真がある。資料によって日付が異なっているが、どれが本当か?」という質問がありました。 |
(山陽新聞社提供) |
資料を探してみると確かにグラウンドで在校生と一緒に走っている人見絹枝の写真が見つかりました。が、資料によって日付が大正15年(1926)9月29日だったり、昭和3年(1928)5月25日だったり・・・。これは変だぞ。 そこで当時の新聞を調べて、人見絹枝の帰岡した際の足取りを追ってみることにしました。 |
どうでしょう。大正15年の日程では人見絹枝が在校生をコーチすることは、時間的に厳しい気がしませんか? 次は昭和3年の日程です。
昭和3年の日程では5月24日の午後と25日の午前中に時間的な余裕がありそうです。 5月25日朝刊を見ると、質問と全く同じ写真が掲載されていました(記事は無し)。 新聞には普通前日の出来事が載るよなぁ・・・。 次に写真に目を向けてみると、観衆が傘を差していることがわかります。そこで当時の天気を調べてみることにしました。
さあ、みなさんはどう思われましたか。 資料は私たちに様々な情報を与えてくれますが、全てが正しい情報ばかりとは限りません。 みなさん、郷土資料をどんどん活用して「岡山博士」になってみませんか? |
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